農業系事業会社の経営改善 ~仮説構築~

経営コンサル

経営コンサルの流れとして、T字の縦棒のおろし場所を定めるのが、「問いの設定」でした。

では、次に、おろし場所に対して、どうやって縦棒をおろすのか、仮説を構築していく流れに入ります。

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仮説構築の必要性

仮説

仮説構築って、あまりやらないひとが多いです。

とくに、足元でいっぱいいっぱいの場合とか、一度決めて突き進む場合(その方法が正しいと思っているとき)とか、のときはやらないし、やらなくてもいい場合も多々あると思います。

ただ、どういう方法がいいのかわからない時、方針を決めたい時などは、仮説を決めて、PDCAを回しまくる作業が絶対的に必要です。

というのも、うまく行かなくなった時に設定した「問い」に立ち戻れるように。

うまく行っちゃえば立ち戻らないのですが、そうそううまく行くこともないのでw

要は、行き詰らないために、問いをしっかりと意識して、常に考えておくことも重要ということです。

そして、コンサルとか、開発・研究などのクリエイティヴ系は特にそうですが、仮説思考型で仕事を進めます。

演繹的、帰納的と方法は多々あるとは思いますが、基本的に、仮説を作りまくります。そして、その仮説には「センス」がつきものです。

仮説は数打てばあたるというのも、まぁ間違いではない気もしますが、質の悪い仮説をいくつ作ったところで、あたりません。

例えば、仮説を周囲に提唱して、

「なるほど、そういう手もあるな」
「それならいけそうだ」
「そういう見方もあるな」

など、賛同を呼んだり、”潜在的に”同意見である場合、筋がよかったりします。

そのような筋の(良さそうな)仮説をなぜ作るのかというと、前述した立ち戻ることもそうですが、周囲との意思統一という側面もあります。

経営コンサルでいえば、コンサルの提案方針が、いくつかの仮説に基づいていると思いますが、その仮説を共有しておくと、依頼した側も、少なくとも「外れていない」提案であり、安心する側面があります。

もちろん、依頼側が度肝をぬくような提案は、素晴らしいのですが、サプライズを求めているわけでもないので、事前に共有しておくことは一手です。

仮説構築の必要性
 ◇問いに立ち戻ることができる
 ◇周囲と共有し意思統一を図ることができる

もちろん他のメリットもあります。依頼を受けたコンサルがどういう風に動いているか管理できるとか、「仮説」として見える化しておけば、さらなる付加的なアイディアを付け加えることも可能だったりとか。

仮説構築の方法

仮説構築

では、どうすれば、センスのいい仮説構築ができるでしょうか。

よく企業内でも、仮説構築のブレスト(ブレインストーミング)しましょうっていって、やってみると、「それ本気で言ってるの?」っていうほど、ひどい提案をしてくる人がいます。

残念ながら、思考停止しちゃってますよね。

センスのいい仮説の作り方は、経験上、基本3つに絞られるかと。

❶ 依頼主の知識を借りる
❷ 仮説を具体にしてその先を想像・仮創造する
❸ ある程度フレームワークも行う

前述の思考停止マンの提案仮説では、❷が全くできていない場合です。

ただ、ブレスト時は、お決まりの文句になっていますが、アイディアを生むために「否定しないこと」ですから、思考停止マンの提案仮説からヒントを得て、他の誰かがセンスのよい仮説にしていく、また、本人が改善していくなどの方法(というか期待)と捉えてもいいかもしれませんね。ほとんどその先はないのですが。

センスのいい仮説を作る基本動作
❶ 依頼主の知識を借りる
❷ 仮説を具体にしてその先を想像・仮創造する
❸ ある程度フレームワークも行う

ノウハウについては、一旦おいておきますが、今回の農業系企業の事例において、作った仮説は、正確には数えていませんが、ざっくり100個くらいだったと思います。

問いに対する仮説

問いの設定

前回投稿で、問いは、

①販路見直しによる自社商品とターゲットセグメントのマッチング
②環境変化に応じた進化を可能にするチーム作り

の2つに集約(細かい課題は除いてます)できました。

これらから、仮説をつくりまくったのですが、なんせみんな「人事」のことは大好きなので、②でいろんな案が出てきましたね。

即効性的には①を頑張らないといけないのにw

仮説構築は具体に落とすので、公開は難しいのですが、一般化して例示しますね。

①販路見直しによる自社商品とターゲットセグメントのマッチングに対する仮説

・〇〇の販路を活かすことで販売単価を向上
・〇〇へアプローチすることで自社製品とのマッチングを図り販売量を確保
・購買決定には〇〇を入れた方がその率が向上
・自社の中間製品の需要が〇〇にある
・廃棄製品を〇〇することで歩留まりがあげられる

などなど。

②環境変化に応じた進化を可能にするチーム作りに対する仮説

・〇〇と〇〇との機能を一本化すれば相互作用がうまれる
・〇〇を表面化する制度を採り入れる
・〇〇を成果として認め、報酬化する
・〇〇の情報に横ぐしを指す
・業務の5%を費やし、〇〇を行う
・〇〇に○○を送り込む

などなど。

まとめ

かなりファジーな仮説例示になりましたwが、❶~❸を意識すると、どんどんセンスのよい仮説が出てきます。

販路開拓などの問いに対しては、❸のバリューチェーンで考えたりするとより整理されたりするので、そのようなフレームワークもばかにはできないものです。

ありけん

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