農業系事業会社の経営改善、第二話は、全体感の把握について、どうやって情報を集めて、集積し、把握していくところまでいったのか、また、そのタイムスケジュール的なところを書いていきます。
社長の悩みとか、コンサル対象企業の概要は、こちら。これが前提なので、一度見てみてください!
全体感の把握
コンサルを依頼されるときって、いろんなケースがあるとは思いますが、初見となる場合、この全体感を把握することには、かなり力を入れる必要があります。
今回の農業系事業会社の件については、紹介みたいな感じで携わったと捉えてください。
自分自身のバックグラウンドとして、ほぼほぼ初見です。。。
農業分野は、一般的な知識、例えば、高齢化、耕作放棄地の増加、外国人労働者に頼っている、農産物によっては高い関税により守られている、ブランド化されている農産物もある・・・など、表面的でしょぼい内容しか知りませんでした。
そんな状況なのに、任せてくれたのは、「問題解決能力」をかってもらったから。
みたいです。(あとで聞いて)
もともと研究開発とかもやってたので、仮説構築⇒PDCA⇒仮説修正⇒PDCA・・・の過程は死ぬほどやってたし、わりと得意よりだって思ってはいます。
とはいえ、初見の分野において、油断はいけません。
全体感を把握する上で、実際のアクションとしては、
■情報収集
■関係者へのヒアリング
■対象会社社長/担当者とのディスカッション
あたりがメインでしょうか。
相談された日から、最初の顔合わせまで
ここまでに、相当量、あたまに叩き込んでおく必要があります。初見なので、特に。このケースの場合、約3日あったので、わりと準備できました。
周囲に任せられる人は皆無なので、ひとりですべて作業も行う前提です。
で、こんな感じ。
◇農業関係の本をとりあえず1冊
◇農林水産省の政策チェック
◇対象企業の事業調査、沿革
◇対象企業の関連企業、ステークホルダーなど
◇対象企業の農産物の消費動向調査
◇対象企業の農産物に関する実地調査
(どんな形態でいくらで売られていて、とか)
◇対象企業の財務分析
(財務的な問題の洗い出し)
◇社長等のSNS、ブログ、HPなどのチェック
そして、これらから、いくつか仮説を作っておきます。
この時は、4つくらいありましたね。
社長の問いに関するものが1つ、こうすればうまくいきそうだというものが3つ。
初見だとこんなもんかもしれませんが、センスいい人はもっと思い浮かぶでしょう。
最初の顔合わせ
実はここが肝になります。最初の印象はめちゃくちゃ大事。ここで、核心を聞きださないと後が大変。
そして、最も大事なことは、少しでも信用を得ること。
コンサルを請け負う側のやり方は、色々あるとは思いますが、
信用を築く第一歩は、その会社の商品や製品に触れておくこと、
そして、歩んできた道(沿革)などをしっかり勉強し、思いなどを汲み取ることあたりでしょうか。
社長の対応や態度、性格、話し方、表情などを見て、臨機応変に対応していく必要はありますが、最低限、その会社の商品や製品は体験しておきましょう。
礼儀です。と、戦略コンサル時代の先輩によく言われたもんです。
そして、顔合わせの時には、おそらく潜在的な問題認識までは聞き出すことは難しいかもしれません。
困っていること、思い、今までやってきたこと、制約など、比較的抽象的な面のヒアリングになってしまいがち。これはこれでいいようにも思いますが、必ず、次のアポを入れましょう。副業・複業でやる場合は、他の仕事との調整も必要でしょうから、無理せず、1週間後あたりですかね。
それまでに、寝る時間を削りまくって、仮説を作りまくります。
最初の顔合わせ~2回目の顔合わせ
このステップで全体感の8~9割は押させておきたいところです。
問いの設定の前提が大体積みあがっている感じですね。
ちなみに、2回目の顔合わせというか協議で、この問いの設定をはずすと、大変なことになるので、問いは10個くらいは用意しましょう。
大きなものから、具体まで。詳しくは次回投稿に書きますね。
全体感の8~9割までおさえられていると、掘りどころが見えてきます。こんなところ深めたら面白いんじゃないかって、感じで。その掘りどころが仮説構築にもなるのですが、問いの設定にもつながります。
これらをよく、「T字戦略」って言いますよね。
Tの横棒は、全体を俯瞰するイメージ、で、縦棒で掘っていく・深めていくイメージです。
根本的に、全体が見えていないと掘りどころがわからん、もしくは、ミスる可能性高いですよね。
まとめ
全体感の把握について、もう少し具体で書こうと思ったのですが、問いの設定につながってくるので、次の記事で具体的に書いていきますね。
中小企業診断士としても気を引き締めて、初心にかえって、礼儀をしっかりと適えたい!
ではでは~また後日~!
ありけん
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