前回、令和2年度の国家予算・一般会計を見ました。
このうち、個人としてどの程度、直接的にかかわっているのか、一般会計から、考察していきます。
国へ支払う生涯平均納税額
税金は国民の義務であるため、適切に支払うことは超重要です。税とは適切な関係を保って、一生を添い遂げなくてはなりません。
では、ざっくり、生涯どの程度支払っているか、金額感、わかりますか?
といっても、税金には、数多くの種類があって、国に支払うもの、地方自治体に支払うものなどがあります。
国家予算・一般会計に反映される「税収」は、以下のものに限られます。
■ 所得税
■ 法人税
■ 相続税
■ 消費税(地方消費税のぞく)
■ 酒税
■ たばこ税
■ ガソリン税、航空機燃料税など
■ 自動車重量税
■ 関税
■ 印紙など
このほかにも、住民税や固定資産税、入湯税なんてのもありますし、厚生年金とかも考慮にいれるべきでしょうが、これらは、国家予算の一般会計には反映されていないので、個人のトータルの生涯納税額を計算する場合には、注意が必要です。
結論から言うと、これら、トータルの生涯納税額は、生涯収入の20~40%程度になると言われています。
例えば、頑張って3億稼いだサラリーマンは、約1億円、もっていかれてしまうわけですね。うーん。
ここでは、国家予算・一般会計に紐づくところで見ていきましょう。
国税庁が公表している資料によると、令和2年6月8日時点では、平成29年度分の公表で、税収は、約58.8兆円になっています。
そして、過去10年分まで掲載があり、法人税を除いて、個人にもろに関与するところをグラフ化すると、こんな感じに。
そして、統計データから、約5,000万ある世帯数で割ってみると、1世帯あたりの納税額は、年間にしてこんなもの。
38 兆円 ÷ 5,000 万世帯 = 76 万円/世帯
平均とはいえ、かなりの額!!
生涯ということであれば、これに、世帯サイクル年数をかければOK!
世帯サイクルって適当につけた名前ですが、要は、世帯の寿命みたいなもので、世帯は何年に1度更新されるかってことですね。
単純に76万円/世帯に平均寿命の80年をかけちゃうとカウントが重複しちゃうので。ざっくり、3世帯に属したとしますね。
0~20歳は親の世帯に。20~60歳は世帯主に。60歳~は新世帯に。
ということで、国へ支払う生涯税金は、
76 万円/世帯 × ( 80歳 ÷ 3 ) ≒ 2,000万円!!
になります。
まぁ、遠からずでしょう。
国へ支払った税金の対価
汗水たらして一生懸命働いて、そして、国へ2,000万をしはらって、どんな対価をえられるのでしょうか。
投資家視点ですね。
視点を変えて考えてみるのはいいことだと思って、見ていきましょう。
一般会計の歳出から見ていきます。
前回の投稿で掲載した図をもう一度はりますが、国は、我々が支払った税金では足りず、借金をしてまで、我々国民にいろいろしてくれています。
では、どんなことをしてもらっているのか。
大きいところでは、社会保障。
年金、医療、介護ですね。
これらは基本的には、税金というより、国民年金、健康保険料、介護保険料からなどで賄っているのですが、どうしてもたりません。
その足りない分を充填しているイメージでいいと思います。
なので、完全に納税による対価を切り分けることは難しく、社会保障と税は一体と言われる所以にもなっています。
ただ、考え方として、国への納税によって、社会保障が賄われているとすれば、年金・医療・介護に関しては、対価のひとつといえるでしょう。
次に、地方交付税交付金。
これは地方へ交付するもので、義務教育やインフラ、生活保護費などに充当されています。なんで地方交付を国がコントロールするかは、いまだに?ですが。(使途を明確にするためのよう)
義務教育や、警察・消防、ごみの回収などにって言われると、まぁ、妥当かって感じですね。
公共事業はかなりわかりやすいかと思いますが、道路つくったり、電線整備したり、QOL(Quality Of Life)をあげるための費用なので、納得しましょう。
そして、文教・科学。
国立大学の運営や、科学技術開発等に使われるもの。
国立大学に入ったひと、科学の技術開発に携わるひとなら、納得して支払えるものですね。一方、全く関係ないってひとは、なかなか納得いかないかもしれませんが、これらの研究成果や、開発成果は、国のインフラや医療開発、発展のために有用である(はず)ので無関係というわけではないのです。
防衛も同じですね。無関係でないことはわかりやすいかと思います。
最後に、国債費。借金の返済です。基本、過去のものなので、事象自体は仕方ないですが、絶対額や利率など是正したいですね。
ということで主な歳出のところを見てきましたが、これらすべての歳出に対応する、我々国民が支払う税は、2分の1~3分の1程度となります。
2,000万円はらって、十分な対価といえるでしょうか。
まとめ
納税って、直接の対価がわかりずらくて、本当に支払う必要があるのか?って思いがちですが、日本の住み心地を考えると、借金までして賄ってくれているので、悪くないのでは?
日本に住むという権利を2,000万円で買わなくてはならないと考えればまぁ、妥当ではないでしょうか。
しかも、ひとごとではなく、政治家は国民投票で決まることからすれば、お金の使い方に不満あるひとは、同じ考えのひとを支持したり、自ら政治家になるなど、選択肢すら用意されています。
さすがにみんながみんな政治家にはなれないので、
2,000万円はらうんだから、日本をもっともりあげていこう!
っていうような心持ちができるといいかもしれないですね。
次回は、通常では関与度の高くない特別会計について、ふれていきます。
ありけん
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