国のお金の事情を知るということで、前回は、どうやって使われ方が決まるのか、ざっと見ました。
この投稿から、その中身について、見ていきたいと思います。
ディスクロージャー
国民が納めている税金の使われ方ということもあり、かなり細かく、財務省のHPに公開されています。(財政法46条というものに規定されている)
普段から、財務諸表みているひととかでないと、???となってしまいそうな感じではありますが、わかりやすいように、こんなページもあったりします。
図解メインとなっていて、かなりわかりやすく説明してくれています。
一度、目を通されるといいかもしれません。
この投稿以降では、もう少し詳しく見るために、
❶ 今の日本の財政状況
❷ 令和2年度の計画
❸ 平成30年度の予実
って流れでみていこうと思います。
令和元年はどうしたってことですが、まだ、決算が終わっていないので、予算と実績を比較できないため、省略ですw
❶で、今の状況、特にバランスシートを見て、把握し、❷でそのこれから、どんなところに注力していくのか、❸で、とはいえ、計画と実際って違うでしょ、その差ってどんなもの?ってのを見ていこうと思います。
会計種類
今の日本の財政を知るためには、最も信頼すべき機関から出ているデータを使うべきですね。
つまり、財務省からのデータです。
ただ、前述したように日本の財務において、決算には、ながーい年月が必要で、今時点(2020.6.3)で決算が終わっているのは、2018年度(平成30年度)になります。
ということで、ひとまずは、2019.3.31のバランスシートを見ていくことにします。
ちなみに、日本国の会計年度は、4~3月ですが、アメリカでは、10~9月だったりします。
さて、2018年度の国の財務諸表は、ここからダウンロードすることができます。
Excel版もあるので、数字を使う場合は、便利ですね。
ここで、いくつかに財務諸表がわかれているので、簡単に紹介すると、
■一般会計・特別会計
■一般会計
■連結
の3つですが、
一般会計:通常の行政にかかる会計
特別会計:特定の目的にかかる会計
連結:一般+特別会計+独立行政法人等含めた会計
一般会計と特別会計は、こちらに詳しく書いてありますが、特別会計は、東日本大震災復興や年金、自動車安全(道路整備)などの特定されている事業に限定して会計を行うもので、それ以外が一般会計となります。
それぞれを混同してみていくと煩雑になる一方、”日本”を見ていく場合、連結ベースを見ていく必要があります。
連結対象は、特殊法人、認可法人、独立行政法人、国立大学法人なども含まれ、実に、202法人にのぼります。
誰もが疑問に思うのは、JBICとかは連結対象なのに、日銀が連結されていないこと。いわゆる子会社のようなものなのに、なぜ??
今の日本の財政状況
では、早速見ていきましょう。
これが、今(2018年度)の日本の財政状況です。
ぱっと見て、まず思うのが、債務超過であること。
しかもかなりの額の。。。
資産が約1,000兆円であることにたいして、負債が約1,500兆円って・・・
どうにかして、改善しなくては!!って気になりますが、まずは、現状を冷静に見ていきましょう。
国の資産
全体で、約1,000兆円、うち、主なものは、
現預金が約130兆円、
有価証券が約400兆円、
貸付金が約150兆円、
固定資産が約270兆円、
ってところですね。
実際的な問題は置いておいて、流動性の高いのは、現預金、有価証券、貸付金とすると、680兆円ほどとなります。
一方の負債を見てみると・・・
国の負債
負債総額は、約1,500兆円!
うち、
公債・政府短期証券などの借入が、約950兆円、
郵便貯金で保有する国債が、約180兆円、
公的年金の預かり金が、約120兆円、
と、まぁ、すごい額。
どこまでが流動負債としてカウントされるか定かではないものの、
流動資産では、とてもとても賄えないですね。
財務のプロがたくさんいる財務省でも、足元の経済・行政をまわすことと、将来的な財務健全施策を両立することはなかなかに厳しいのでしょう。
少子高齢化などに起因する年金制度の誤算や、過剰・有効的でなかった事業への支出など、原因を探ればいくらでも出てきそうですが、重要なのは、これから。
健全化含め、足元をしっかり回していくための、予算編成はどのようなものになっているか、令和2年度の予算を、次回投稿で見ていくこととします。
まとめ
本投稿では、日本の財政の現状をざっと押さえておく程度にとどめ、
我々の税金や、日本のこれから、そして、財務的に見た改善方法などは、今後の論点にしていこうと思います。
少なくとも債務超過に陥っていることは認識しておくとよいです。
どんな時でも債務超過は、いい状態とは言えないですし、普通の企業ではありえないですからね。
有栖ケンタ
コメント