戦略コンサルファームの面接対策って?
面接対策すると実際、どんなやり取りができる?
実際に、転職活動を通して、どこまで対策が必要か、って見えにくいですよね。
本記事では、戦略コンサルへ転職する際の面接対策の方法と、アウトプットの重要性について書いていきますね。
未経験からの戦略コンサルへの転職活動では、レベル上げを行う必要がありますが、そのやるべき事項はこちらを参照してください。
今回は、戦略コンサルへの転職活動に必要な面接対策と、二次面接のやり取りについて、取り上げます。
戦略コンサルの面接対策:トレーニング+練習試合をこなすことが重要
第一回の初陣面接で、戦略コンサルの魅力にとりつかれたにも関わらず、自身のレベルの低さに嘆き苦しみ、輝きさんとの出会いを果たしたありけん。
輝きさんから与えられるさまざまなトレーニングメニューをこなし、なんとなく考え方がわかってきたと(勝手に)思っていた。そんな根拠のない自信を輝きさんは、容赦なくぶち壊してくれた。
輝きさん:「それでは、まずフェルミの練習しましょう」
ありけん:「(え、練習に付き合ってくれるんですか?)ぜひ!お願いします。」
輝きさん:「題材は、何でもいいのですが、そうですね、今日は老人ホームの施設数にしましょう
か」
ありけん:「(え、老人ホーム?急に言われると・・・)わかりました。では、老人ホームの施設数を、需要側から推定していきます」
輝きさん:「はじめてください」
ありけん:「(え~と)まず、老人のセグメント的には、65歳以上とし、日本国民の約30%なので、約3500万人に相当します。そして、そのうち、老人ホームを必要とする、要介護者を、10%と仮定します。すると、350万人程度になるかと思います。」
輝きさん:「はい」
ありけん:「1件あたり、10人くらいの入居を平均とすると、35万・・・(いやさすがに多すぎるな)・・・(まずい、つまる)・・・」
輝きさん:「さすがに、ケタで違いますねw単純すぎますし。どこがよくなかったかわかりますか?」
ありけん:「まず、全く老人ホームがわからなかったことです。どう前提を置いていいのかも?でした」
輝きさん:「そこは仕方ないですよ。ただ、国が抱える問題くらいは数字感を頭にいれておかないとですよ」
ありけん:「た、確かにそうですね・・・。」
輝きさん:「アプローチ自体はそこまでおかしくないです。結果からいうと、その種類に応じて異なるのですが、いわゆる老人ホームというと4~5万施設ほどもあります。」
ありけん:「それでもすごい数あるのですね、コンビニより多いじゃないですか。」
輝きさん:「そうです、それでもまだまだ不足しているし、介護士やヘルパーが足りないと言われているのです。では、施設に入居される方って、10%も本当にいますか?」
ありけん:「(え?)いない・・・ですかね。」
輝きさん:「ありけんさん、「具体的なイメージ力」を鍛えましょう。イメージしてみてください。田舎にいって、村にいって、10人に1人が施設に入っていますか?それは何歳くらいのひとですか?」
ありけん:「・・・たしかに、ありえないですね・・・。」
輝きさん:「では、もう一度考えるとどうですか?」
ありけん:「そもそも、介護が必要でも自宅で介護ってケースもあります。なので、さらに施設に入る方の割合を定義する必要がありそうです。」
輝きさん:「ですね、加えて、セグメンテーションのイメージをもう少し持った方がいいです。実際に老人ホームにいくと、60代の方は少ないのですよ、80代以上の方が多いじゃないですか。なので、65歳以上をさらに分解して、例えば、65歳以上では1%、80歳以上では10%、90歳以上では30%とか。」
ありけん:「(な、なるほど)このあたりのセグメンテーションはよく出てきそうなので、年代別の人口分布くらいは頭に入れておいた方がいいですね。」
輝きさん:「まぁ、トレーニングメニューには入っていて、インプットはされていると思いますが、このようにアウトプットしないと自分のものになりませんからね、もっと練習が必要ですね。」
確かに・・・本当は、”わたしが出したトレーニングメニューに入ってたのに、覚えてないの?まじで?やる気あんの?”って思ってるな、輝きさん。すまん・・・こんな雑魚で。
こういう風に練習試合をしてもらうと、アウトプットするように頭が整理できて、一人で考えるより、はるかに成長できる!んだな。
さては、輝きさん、トレーニングメニューだけではあまり成長しないことを知っていたな。そして、練習試合でぼこぼこにする必要があるともわかっていたな。さすがすぎるぞ!輝いて見えるぞ!!!
輝きさん:「では、あと数回やりましょうか。そのあと、面接日程について、相談させてください」
なんてありがたい。輝きさんだって、元戦略コンサル。たっかい時間レートなはずなのに、鍛えてくれることに時間をくれるなんて!嬉しいぞ!嬉しすぎるぞ!!
※ありけんはMではありません。
そして、この時には、職務経歴書、志望動機書ができあがっていた。絞ったファームに、優先順位をつけて提出していく段階になり、かつ、初陣をかざったファームの第二回面接が迫っていた。
戦略コンサルへの転職:二次面接は再びプロジェクトリーダーとの試合
二次面接が迫る中、輝きさんは教えてくれた。
輝きさん:「ありけんさん、戦略コンサルの面接では、ひとによって、4~5回の面接、多いひとでは、6~8回もあったりします。そして、面接を重ねるごとに、上の階級のひとが面接官となります。」
輝きさんいわく、ざっくりこのような形のよう。
1、2次面接:コンサルタント、プロジェクトリーダー
3、4次面接:プロジェクトリーダー、プリンシパル
5~次面接:プリンシパル、パートナー
輝きさん:「ありけんさんの場合、一次面接ですでにプロジェクトリーダーがでてきたので、次もその可能性が高いでしょう。具体をイメージして、深い議論をしてきてください!」
といって、送り出してくれた。
輝きさんとの戦略作りでも整理できたが、このもっとも進んでいるファームこそがありけんの第一志望である。
本来、異業種転職の場合、優先順位の高い企業・ファームから先に活動を始めるのはよくない。そりゃそうだ、どんな内容が聞かれるかとかの感触や、自分自身の想いを言葉にする練習も十分にできていないのだ。
しかし、転職に、「タイミング」は非常に重要となってくる。
一次面接を突破し、レベル上げに多大な時間を費やしたありけんは、二次面接までの間がかなりあいてしまっている。せっかく多少の門戸が開いている状態なのに、先方の目線にたつと印象がいいものではない。
輝きさんも、あまり長くキープしない方がよいとのこと、他のファームの面接を待たずして(というかまだ書類審査の結果すら返ってきてない!)、二次面接を迎えるのだった。
ーーー
二次面接当日。
不思議と少し落ち着いている。
エージェントとのレベル上げが多少なりとも自信にかわっているのだろうか。
前回悪あがきで訪れたトイレに、今回も訪れるが、ネクタイを直す程度だ。
そして、エレベーターに乗り込み、受付を済ませ、会議室へ。
ん?今思えば、エレベーターからの記憶はない・・・受付もよく覚えていない・・・
そう、この時、一見、落ち着いているように虚勢をはっているだけだったのだ。手には異常な量の汗が。
そして、時が来た。
xxx:「失礼します。」
!!!!おい、また、イケメンかっ!!!!わかったぞ、顔だな?顔採用あるんだな?どの段階で顔の評点がつくんだ?このひと、山田孝之氏に似てるじゃないか!
山田氏:「遅くにお越しいただきありがとうございます」
いや、丁寧!!!こちらこそ、遅くに設定してしまって、そして、貴重なお時間を頂きありがとうございます!なんですが!!
山田氏:「今日も一次面接と同じように、最初に自己紹介してもらって、そのあと、ケースをやりましょう」
ありけん:「よろしくお願いします!!(やっぱやるのね、ケース)」
山田氏はとにかく紳士。前回みたいなこれから圧迫するけど気にしないでねのジャブはない。どこからパンチが飛んでくるのか、全く読めないぞ。
山田氏:「ではまず志望動機と職歴を簡単にお願いします」
ありけん:「(ん?簡単にってどういうこと?かいつまんで要点をはなせってことか?)はい、志望動機は・・・・、職歴は・・・」
ーーー
志望動機も、職歴も、輝きさんにしごかれたから、かなり具体的になっているはず!どうだ!!
山田氏:「戦略コンサルの内容は、エージェントから聞いていると思うけど、ありけんさんは、具体的にどういうことに携わりたいの?」
ありけん:「(お前は戦略コンサルを具体でイメージできてんの?ってことね、想定の範囲内の質問だ)わたしは、・・・に携わりたいと考えていますが、今は限定することなく、幅広く・・・」
山田氏:「わかりました。ではケースやりましょう。」
ありけん:「(え、早くない?まだ20分経ってないくらいよ?)承知しました。よろしくお願いします。」
山田氏:「今日は、〇〇やりましょう。今の職種的に、ご知見があるのでは?」
ありけん:「多少ですが」
いや、そりゃ、ある一面を見ればそうだけどさ、経営視点はないんだから。。。ただ、通常の議論をしても面白くないから、今の経験を活かした、面白い観点をくれってことだな。
山田氏:「さすがに、異業種からなので、一個一個やっていきましょう」
ありけん:「(お、ありがたい!)ありがとうございます。」
山田氏:「では、まず、3C分析お願いします」
ありけん:「はい。市場は・・・競合は・・・この企業は・・・」
山田氏:「競合の戦略をもう少し掘れますか?」
ありけん:「競合は、大きく2つの戦略をとっている企業群にわけられると推定できます。1つは、・・・などの企業群で、・・・いう戦略を、そして、もう1つは、・・・などの・・・」
山田氏:「それで?」
ありけん:「(それだけなんだが・・・)え~、それぞれの企業群で差別化となる点は・・・」
山田氏:「続けてください」
ありけん:「(続きはないのですが・・・)え~、・・・(ち~ん)・・・(もう白旗あげるしかない・・・)3Cにおける競合分析としては、このくらいしか考え付きませんが、他の観点を頂けますか?」
山田氏:「競合の現場をイメージしてみてください。その大きく分かれる2つの企業群については、間違ってはいないでしょう。ただ、現場をイメージした時に、その企業群で決定的に違うものってあったりしませんか?」
ありけん:「(??)決定的に違うもの・・・例えば、この企業と、この企業を比較した時に・・・もしかして、〇〇を有するか否かですか」
山田氏:「そうです。ということは?」
ありけん:「〇〇があるかないかで、バリューチェーンは大きく変わってくると想定できます。なので・・・」
あぶね~~~!!!これ、答えられなかったらアウトだった~~~~。。。一次でも輝きさんにも言われた、「具体のイメージ力」のなさよ、ありけん、お前は世界を見ているのか?本当に目は開いているのか・・・?
ーーー
わからないなりにヒントをもらい続け、必死に頭を回転させた。
山田氏:「では最後に、今日の議論のまとめとして、今後、この企業が取るべき戦略はどういうところだと思いますか?」
ありけん:「・・・な戦略はありうると思います。」
山田氏:「それは普通ですね。もう少し今日の議論活かせませんか?」
ありけん:「(え?どこにあったの、ヒント?え??え???)え~・・・」
山田氏:「・・・」
ありけん:「(この間、怖すぎない?)・・・を取り込むような戦略もありうるかなと思います。理由は・・・。」
山田氏:「そうですね、ありうると思います。ありけんさんが言ったバリューチェーンというのをしっかり考えれば出てくる発想ですよね。」
じ、自分の発言にあったのか、ヒントが。。。
山田氏:「では今日はこの辺にしましょう、お疲れさまでした。」
はい、疲れました・・・紳士だけど目が怖かったよ・・・ピンチが2回あったが、回避できたと思っていいのか??
エレベーターを降りると、そこには、例のトイレがあった。
トイレに入り、鏡を見ると、気づかぬうちに顔が汗だくになっていたので、顔を洗った。。。
試合のあとの疲労感と見えない結果への不安感で精神的にいいとは言えない状態で帰路についた。
外に出ると、初秋の寒さが、体を震わせた。
ポイントと次回予告
レベル上げをして臨んだ、二次面接でしたが、レベル上げをしたからとて、決して楽な面接ではありませんでした。
結局、思考をストップさせた時点で、議論からはじき出され、奈落へいくことになるでしょう。
今回のポイントは、具体をイメージして、頭をフル回転させろ、ということ。
◇アウトプットの練習量がものをいう
◇常に具体をイメージして思考を巡らせ議論する
次回は、二次面接の結果、そして、他ファームの筆記試験についてです。
ありけん
続きはこちら⇒⇒インプットの幅がアウトプット力を高める
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